Windows 11のSmart App Controlで社内ツールがブロックされた場合の署名要件と対応手順

Windows 11をクリーンインストール(またはPCのリセット)した環境で、長年利用してきた社内内製のツールが「Smart App Control」によってブロックされ、実行できなくなることがあります。Intuneなどで企業管理されているPCでは、Smart App Controlは自動的にオフになるため、実際に問題になるのは管理対象外のPCや、キッティング前の状態で使っているPCが中心です。
原因と落とし穴
Smart App Controlは、Microsoftのクラウドで安全と判定できないアプリを、署名がない限りブロックします。ここで信頼される署名は「Microsoftの信頼されたルートプログラム(Trusted Root Program)に加盟している認証局」が発行したコードサイニング証明書によるものだけです。社内CAで署名しても、そのルート証明書を各PCに配布しても、Smart App Controlの判定では信頼されません。また、特定のアプリだけを許可する例外設定もありません。
なお、ブロックが起きるのは「オン」(強制モード)のときです。「評価」モードは動作を観察しているだけで、アプリをブロックしません。
以前は「一度オフにすると、Windowsを再インストールしない限りオンに戻せない」という制約がありましたが、2026年4月の累積更新(KB5083769)以降は、Windowsセキュリティの画面からいつでもオン・オフを切り替えられるようになっています。
切り分け・対処手順
①ブロック原因の特定: イベントビューアーの「アプリケーションとサービスのログ > Microsoft > Windows > CodeIntegrity > Operational」を確認し、どのファイルがブロックされたかを特定します(AppLockerのログには出ません)。
②パブリックな証明書で署名する: 社外にも配るツールや、管理対象外のPCで使うツールは、Trusted Root Program加盟の認証局から購入したコードサイニング証明書で署名します。社内CAの署名では解決しません。
③業務PCは管理方式を変える: 社内CAで署名した内製ツールを業務PCで使いたい場合は、PCをIntuneなどで管理し、Smart App Controlではなく「App Control for Business」で、社内CAの署名を許可するポリシーを配布します。こちらは許可ルールを会社として設計できます。
④一時的な回避: 単発のインストール作業などでは、Smart App Controlを一時的にオフにし、作業後にオンへ戻す方法もあります(KB5083769適用済みの場合)。
まとめ
Smart App Controlは個人向けに近い保護機能で、社内CAの署名を信頼させる設定はありません。内製ツールと共存させるなら、「パブリックな証明書で署名する」か「業務PCはApp Control for Businessで管理する」のどちらかを、会社として決めておくのが確実です。
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